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2004.11.01

「オレ流」張り線講座【基礎編】

自慢できるような代物ではありませんが、自分の手法を改めて確認する意味を込めて、「オレ流」複葉機の張り線手法を整理してみます。「こんなの知ってるよ」という方は、読み飛ばしてください。

張り線の素材として使うのは、釣り用ナイロンテグス、真鍮線、伸ばしランナーの3種類です。なお、私の張り線の張り方は、「プラモおじさん」にお教えいただいた面も多いですので、こちらもあわせてご紹介いたします。

ナイロンテグスの張り線

ナイロンテグスは、主に上翼と下翼の間に長く渡す張り線に使います。テグスは釣具屋さんに行けば、いろいろな種類や色(透明、グレー、黒)がありますし、模型店で売られている「張り線用テグス」といった商品より割安です。
余談ですが、釣り用の糸おもり(細い鉛線。0.15mmや0.18mmなどの太さがあります)は、自由自在に曲げられるので、エンジン、脚部などのパイピングに便利です。

張り線の話に戻ります。私は機体の大きさに応じて0.8号(糸径0.148mm)、1号(0.165mm)、1.2号(0.185mm)を使い分けていますが、1/72サイズでは、あまりこだわらなくてもいいかもしれません。ただし、1.2号より太いテグスはスケール感を損ねるとともに、強く張るとテグス自身の強さが翼桁を折るなどプラ材を傷める可能性があるので、使いません。

張り方については、そんなに細かい作業はせず、いわゆる「直つけ」です。toyさんのようにヒートン(リング状に加工した細い金具)を翼面上に埋め込み、そこにテグス等を通して張る手法もありますが、上級者向きです。私は小さなヒートンを作るのも、ヒートンに細いテグスを通すのも眼がついていかないのでやっていません(できません)。

私の手法は、上翼下面の張り線を張る箇所にピンバイスで0.3mm程度の穴を開け(ただし貫通させない)、張り線の一方の端を瞬間接着剤で固定します(「直つけ」です。上翼両面の塗装はすませておきます)。
次に下翼上面の張り線を渡す箇所にも0.3mm程度の穴を開けますが、こちらは貫通させます。

上翼を所定の位置に固定した後に、上翼にぶらさがっているテグスを下翼の該当箇所の穴に通して、テンションをかけて瞬着で固定します。添付図をみていただければ、要領はわかると思います。なお、瞬着はたくさんつけると汚くなり接着力も落ちますので、できれば新しいもので、細いヒゲノズルやツマヨウジを使って最低限の分量をつけるようにします。私が愛用しているのは、WAVEのハイスピード硬化型です。
1 ナイロンテグスの張り方イメージ(前面図)

テンションのかけ方は、穴に通したテグスの端を洗濯バサミなどではさみ、軽く引っぱるという簡単なものです。ポイントは瞬着が固まるまで、ガマンしてテンションをかけつづけること、それから強く引っぱりすぎないこと。ピンと張ろうとして強く引っぱりすぎると、上翼につけたテグスが取れてしまうことがあります(私は何度もこれで泣きました)。やさしくじっくりテンションをかけて、固定されるまで耐えます。固定されたら、余ったテグスをなるべく下翼下面を傷つけないように、鋭利なデザインナイフで切り取ります。切り取った後は軽くペーパーがけして、必要ならば下面色をタッチアップします。

張り線はピンと張れなくても、あわてる必要はありません。テグスはナイロンですので、瞬着が固まった後にタバコまたは線香の火を近づけると、縮んで自らピンと張ります。ただし近づけすぎると縮みすぎて、プチッと切れます。そうなると作っている当人もキレます(私も何度かキレました)。

一度張った張り線が途中で切れると、上翼が固定されているだけに修復が面倒ですので、あわててピンと張ろうとせず、様子をみながら何か所かに分けて、慎重に火を近づけてください。テグスの種類によっては火を近づけると切れやすいものや、縮みにくいものがありますので、ランナーの切れ端などに試し張りをして、火を近づけて確認するといいでしょう(私はめんどくさいのでやりませんが…)。

テグスのかわりに、細いミシン糸を使う方法もあります。本来、実機の張り線はよじったワイヤなので、糸の方がリアルなのかもしれません。ただし私は、毛羽立つのがいやなうえ、たわんだときに修正がむずかしいため、あまり使いません。

真鍮線・伸ばしランナーの張り線

真鍮線は、添付図にあるような桁にクロスしたものや、翼間に垂直に近い形で張られたものなど、短い張り線に使っています。これは根元に小さな穴を開けて、長さを調節した真鍮線(0.2mmを使っています)を挿し込んで固定するだけです。開ける穴を張り線の伸びる角度に合わせるのが理想ですが、若干ずれても、根元を細いペンチで少し曲げて調整すれば、たわみは気になりません。真鍮線の長さは現物合わせで、少しずつ調整していきます。挿し込んで、たわみがない状態になったら瞬着で固定します。

なお、伸ばしランナーも同様に使えると思います。ただし、伸ばしランナーは太さが一定にならず、かつ細くすると強度に難があるので、本当に短い部分にしか使っていません。
2 真鍮線の張り方イメージ(翼部側面図)

以上、お役に立てましたでしょうか?
次回は、ソードフィッシュを題材に、「オレ流」張り線講座【実践編】をアップしてみたいと考えています。

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コメント

Kazuさん、張り線講座ありがとうございました。
解説を読んでわかった気がしました。
コレで『張り線も自由自在だぜ!複葉機どんと来い!』
と思い込んでしまうところがコワイ(笑)
実践編も期待してます。

投稿: ドカ山 | 2004.11.02 17:59

ナルホド、分かりやすい解説ありがとうございます。
私は、テグスが苦手でいつも0.2mmのピアノ線を使っています。この場合、これ以上細い物が無いのがネックです。
今回のゴスはピアノ線を使いますが、今度テグスにも挑戦したいです。

投稿: 腹~・ポッタ~ | 2004.11.02 19:54

こんばんわー
すっげー勉強になりました。
失敗しそうなポイントをあらかじめ注意しておいてくれて、なんとなく出来そうな気がしてきました。
そのうち、複葉機もチャレンジしてみようと思います。
こちらもようやくカンコウカンバクに手が付きました。
現在内装をこちょこちょとやっております。
今度はKAZU氏プロデュースの内装でっちあげ講座を希望します。

投稿: 男爵 | 2004.11.03 00:12

こんばんはー

お勉強になりましたでゴザイマス
なんとなく
チャイカが作りたくなって来ました
さっそく
キットを狩ってみようと思いまする。

投稿: しょぼんぬ | 2004.11.03 01:08

こんばんは。
テグスを使うことは知っていても、テグスを縮めるなんて思いもしなかったです。やはり実践されてる方のテクニック講座は参考になります。ワタシも内装のデッチ上げ講座、気になります。

投稿: ウイングバック | 2004.11.03 19:05

皆さま、お恥ずかしい内容ですが、たくさんのレスポンスをいただき、ありがとうございました。

>ドカ山さん
どんどん思い込んで、複葉機にもチャレンジして下さい。
早く「実践編」に移りたいのですが、今日はソードフィッシュの塗装でうんうん悩んでます。
ダーク・スレート・グレイとライト・スレート・グレイというのは、なかなかいい色味がでないですねぇ。

>腹~・ポッタ~さん
ピアノ線を使われる方も多いようですね。
私はピアノ線は使ったことがないのですが、切るのが大変なんじゃないですか?塗装のノリはどうですか?
また教えて下さい。

>男爵さん
内装デッチアゲは、講座になるようなことはしてませんよ。
何となく「らしく」してるだけです(笑)。
72というスケールを考えると、本物を忠実に再現することは物理的に無理なので、目につくところのみプラ材などを使って「らしく」してます。
そのうち、内装の画像でも出します。

>しょぼんぬさん
チャイカ、ぜひ行って下さい。
チャイカは張り線が少ないので、最初としては、いい題材かもしれません。
東欧の模型店にもチャレンジしてみてはいかがですか?

>ウイングバックさん
内装のデッチ上げは、デッチ上げなので見せられるようなモンじゃないですって。
「らしく」作って、自己満足の世界です(笑)。

投稿: Kazu | 2004.11.03 22:46

あ、ちなみにカウンタの33333ゲットです。遅ればせながら。
ふふふふふ

投稿: 男爵 | 2004.11.04 02:37

男爵様

33333ゲット、ありがとうございます。
実は、キリ番企画などするべきか考えていたんですが、ぼーっとしてたらキリ番が過ぎてしまいました。

今度は、40000で企画を準備したいと思っています。
これからも、Aviation Flash、よろしくお願いします!

投稿: Kazu | 2004.11.04 08:56

>切るのが大変なんじゃないですか?塗装のノリはどうですか?
ピアノ線のカット、私はスモールクリッパーやワイヤーカッタと言う商品名で売られている支点が2箇所になっているカッターを使っています。0.2~0.5mmぐらいなら、鋼線 可で、刃先さえちゃんとあっていれば、どんな物でも大丈夫だと思います。
問題は長さ調整ですね。少し長めにカットして、削りながら調整するのですが、少しぐらいなら目の細かい良く切れる金属やすりで大丈夫ですが、グラインダーがあった方が楽ですね。
塗装のノリ、スミマセン、塗装してません。(笑)
ゴスの場合、主翼前縁側と後縁側で色が違うようなので、塗ってみます。
長くなって、スミマセン。

投稿: 腹~・ポッタ~ | 2004.11.04 18:37

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今こそこれを作る日がやってきたのだ。 [続きを読む]

受信: 2004.11.02 19:34

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